私たちには本来、様々なケガや病気を、自分自身の生命力で治してしまう「自然治癒力」があります。
ちょっとした擦り傷なども自然にふさがり、カサブタとなって、そのうち治ってしまいます。
病院で手術した傷も縫い合わせただけで、傷がくっついて治るのは、治癒力があるからです。
風邪だって、体力があれば大抵は暖かくして寝ていれば、そのうち治ります。
ところが今、様々な慢性症状(症状が長引いている)で苦しんでいる方はどうでしょうか?
・・・このような状態を「自然治癒力がうまく働けない状態」であると考えます。 自然治癒力が
うまく働けない状態とは、自然治癒力の働きを阻害する因子、もしくは、状態があるということです。
具体的には
・免疫力が低下している。もしくは適正でない。
・咽喉の扁桃の慢性的な炎症が、身体の他の部位にて、免疫反応を引き起こす扁桃病巣感染症
・自律神経や内分泌(ホルモン)の乱れ
・血液の循環障害 (冷え 鬱血 オ血など)
・筋肉やじん帯などの硬化 緊張 緩み 身体の歪み
・気(生命エネルギー)の不足や停滞で元気がでない・・・・・・などが挙げられます。
これらの「自然治癒力阻害因子」を改善、除去できれば、症状、病状に対する自然治癒力は
自ら高まります。
当院では、「自然治癒力阻害因子」を見出し、鍼灸を用いて様々な処置をし、それらを改善、
除去して、健康な身体に導きます。
したがって、単に症状が出ているところだけに施術するのではなく、症状を引き起こしている、全体的
背景を捉えて、症状を改善できる身体に整えていきます。
疲労や、ストレスにより身体を守る免疫力(病気に対する抵抗力)が適正でなくなることで、様々な症状を現している場合に 扁桃 リンパ節 胸腺 粘膜等の免疫力を調整して症状を改善する処置です。
・扁桃処置 (*扁桃病巣感染症に適応します。)
・アレルギー処置 (花粉症 鼻炎 アトピー等 アレルギー疾患に対応する処置です。)
・粘膜消炎処置 (口腔粘膜 気管・胃腸粘膜 泌尿器・生殖器粘膜等の炎症に対応する処置です。)
等
*扁桃病巣感染症とは、疲労やストレス等によって、最も大切な身体を守る最前線である扁桃の血管 が収縮したり、炎症を起こすと、扁桃自体はほとんど無症状か、軽い痛みや違和感がある程度です が、この炎症物質の毒素が血液やリンパを介して、扁桃からはなれた身体の弱いところに行って、 二次的に急性、慢性の症状や多様な疾患を引き起こします。
例を挙げると 咽頭異物感、リウマチ性関節炎、乾癬、慢性湿疹、蕁麻疹、慢性微熱、
掌せき膿ほう症、自己免疫性の溶血性貧血、血小板減少紫斑病、肺炎、腎炎、関節炎
甲状腺機能亢進症、アキレス腱炎等が発症します。
ストレス(不快なもの全て)等により自律神経 ホルモン系のバランスが乱れることによって症状を表している場合に、調整する処置です。
自律神経は 交感神経と副交感神経に分かれます。
内臓や血管やホルモンなどをコントロールする神経です。
交感神経は主に昼間の活動時やスポーツを行うときなどに優位に働く神経で 心臓の拍動を高め 血管を収縮させて血圧をあげ 消化管の働きを止めて 活動にふさわしい体調に整えます。
一方 副交感神経は 休息時や食事をするときなどに優位に働く神経で 心臓の動きや呼吸を緩やかにして 血管を広げて 血液の流れをよくして 心と体をリラックスモードに整えます。 さらに副交感神経には 細胞に分泌や排泄を促す働きがあって消化液の分泌が活発になって 排便が促されます。
自律神経の調節範囲内では 病気にかかることはなく体調は良好に維持されますが 心配事や悩み トラウマ イライラ 過労などの心身のストレスや 気圧や環境の変化 空気 水 食物汚染などの物理的ストレス等が加わると自律神経は、交感神経か副交感神経の亢進 又は機能低下になって、病的な症状が現れてきます。
① 白血球の中には、大きく分けて顆粒球とリンパ球がありますが 交感神経の緊張が長く続くと、
顆粒球(体の中に入ってきた細菌を殺す大切な働き)が増えるに伴って活性酸素(細胞を攻撃す
る不安定な酸素分子)も大量発生して 胃や関節などのあらゆる組織や 弱っている器官に直撃
して、かってに破壊し始めて炎症をひきおこし、痛み、腫れ、変形等の症状を表します。
② ストレスにより交感神経の緊張が続くと アドレナリンというホルモンが分泌されて血管が収縮し
て全身で虚血(血液が運ばれにくい)と うっ血(血液がたまる)という2つのタイプの血流障害
が起こって体温も低下します。
その結果 細胞に必要な酸素や栄養が届かなかったり 細胞内に、老廃物や毒素、疲労物質(乳酸
など)が停滞して 肩こり 関節痛 腰痛 めまいなど 不快な症状があらわれます。
③ リンパ球の数が減ってウィルス感染が起こりやすくなります。
④ 内臓の働き、消化液の分泌の低下や大腸のぜん動運動(腸の内容物を肛門へ送る働き)が抑制されて
便や尿が排泄しにくくなったり、各種ホルモンの分泌(副腎皮質・髄質ホルモン 女性ホルモン
甲状腺・副甲状腺ホルモン インシュリン セロトニン等)が異常になって体調がみだれます。
このように, 自律神経の乱れが原因で、筋肉が緊張して痛みやコリを起こしたり 血管が収縮して頭痛や高血圧を起こしたり 不眠になったり ホルモン分泌異常での生理異常・うつ症・糖尿病 また大腸の運動が抑制されて便秘したり等々 自律神経の乱れが原因での疾患が多く診られます。
これら、自律神経 ホルモン系のバランスを調整して症状を改善する処置です。
・自律神経処置 (交感神経や副交感神経の乱れを、鍼灸によって正常な状態に調整します。)
・副腎処置 (易疲労 倦怠感や各種ホルモンバランスの乱れを調整します。) 等
血液の循環がスムーズに保たれることで健康を維持している面がありますが、月経血の停滞、打撲による皮下出血、熱性疾患による溶血、遺伝体質、門脈系の循環障害等によって、血液が溜まったり、運ばれにくくなると、身体の治癒力が低下して体調が崩れてきます。この血液循環が原因で症状が表れている場合に流れを改善する処置です。
・オ血処置 (全身的、局所的な血液の滞りが起こり血液が正常な働きをなくしていて、特に慢性病で、
なかなか治らないものや、免疫の低下、各種神経痛、筋肉の痛み、生理痛等々、根っこが
深い症状の場合は、たいてい「オ血」があります。これらに対応する処置です。)
・頭部オ血処置(産後又は産後の休養不足や過剰なストレス、脳外科手術をした人、性格的に完全主義
者の人、神経質な人、知的労働者にしばしば見られ、自律神経が不安定になり頭皮に
組織液や静脈血が滞って、頭皮を押さえると、ブヨブヨで浮いている感じや、熱感、
痛みがあり、それが原因で、慢性的頭痛、めまい、精神不安定、不眠、のぼせ等の症
状を表している状態に対応する処置です。)
・肝門脈うっ血処置 (門脈とは、通常の動脈や静脈とは異なっていて、心臓のポンプ作用による影響
は受けずに、腹腔内圧や胃腸の働きによる運動によって血流が推進されますが、
肝臓内への血流が妨げられると、うっ血を起こして、胃部不快感、腹部膨満感
食欲不振、全身倦怠等の症状を引き起こします。)
・骨盤虚血処置 (更年期障害や冷え、不妊症、低体温等の女性ホルモンの分泌低下による症状に対
する処置です。)
・骨盤うっ血処置 (強い精神的ショックなどによって、骨盤部に、うっ血を起こしやすくなります。
下腹部の動きが鈍くなって腹式呼吸がしづらくなるので、胸式呼吸が中心となり、
肩から胸背部が凝りやすくなります。このために、めまい、地の底に落ち込むよ
うな頭のフラツキ、頭痛、頭重等、また下腹部にうっ血する為に、腰痛、腹痛、
下腹部の違和感 生理痛等の症状も表れます。これらを調節する処置です。)
・眼科処置 (緑内障・白内障・飛蚊症・涙目・ドライアイ 等に対応する処置です。)
等
筋肉やじん帯の強張り 硬化 あるいは ゆるみによって身体の方々に痛み しびれ等が出た場合に この歪みを調整する処置です。
・帯脈処置(骨盤 背中などの身体の捻じれや歪み、肥満、痩身者、高齢者など、腹筋が弱くなりお腹
が下垂することによって、様々な症状が出ます。これらを調整する処置です。)
・筋緊張緩和処置(筋肉系の緊張を緩める処置です。)
・結合組織活性化処置 ①脊柱起立筋緊張緩和処置・・・脊柱起立筋、広背筋、腰方形筋等の
過緊張を緩める処置です。
②坐骨処置・・・腰臀部痛、坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニア、変形性
股関節症等に有効な処置です。
・血糖降下処置 (交感神経の過緊張 老化 アルコール飲用等により引き起こされた、
血糖値の変動による筋肉痛 神経痛 しびれ等の症状に対する処置です。)
等
なお これらの筋肉系処置によって体の柔軟性をはかり、スポーツ選手、ダンサーの治療も行っています。
身体や内臓の元気(エネルギー) 血液や体液を流す力等 目には見えないけれど確実に存在するとても大切な力の過不足からの症状に対する処置です。
・胃の気処置(血液の流れ、体液の配分、循行をさせる目的の処置です。)
・気水穴処置(鍼灸医学独特の経絡の変動の異常を調整する処置です。)等